前回は、安全対策は、現場だけの問題ではない
というテーマで書きました。

安全対策は、事故を防ぐために必要なものです。

しかし、それだけではありません。

現場が安定して動くか。
取引先が安心して任せられるか。
協力会社やドライバーが不安なく出入りできるか。
そして、働く人がこの会社で続けていきたいと思えるか。

こうしたことにも、安全対策は関係しているのではないでしょうか。

今回は、その中でも特に、人材という視点で考えてみたいと思います。

■ 人手不足の原因は、給与だけではない

人手不足の話になると、まず給与や待遇の話になります。

もちろん、給与は大切です。
勤務時間、休日、福利厚生も大切です。

これらが整っていなければ、
人を採用することも、定着してもらうことも難しくなります。

ただ、人が会社に残る理由は、給与だけではありません。

この会社で安心して働けるか。
現場がきちんと管理されているか。
危ない状態が放置されていないか。
分からないことを聞きやすい雰囲気があるか。
新人でも不安なく作業を覚えられるか。

こうした現場の空気も、人が残るかどうかに関係していると思います。

■ 危ない現場は、人の気持ちを削っていく

事故が起きていなくても、働く人が不安を感じる現場はあります。

フォークリフトと人の距離が近い。
歩行帯が分かりにくい。
荷物の置き場所が曖昧。
通路に物が置かれている。
注意表示が古くなっている。
危険な場所が、経験者にしか分からない。

こうした状態が続くと、働く人は少しずつ不安を感じます。

「このままで大丈夫だろうか」
「いつか事故が起きるのではないか」
「自分が間違えたらどうしよう」
「新人には危ないのではないか」

この不安は、すぐに退職につながるとは限りません。

しかし、毎日の小さな不安は、働く人の気持ちを少しずつ削っていきます。

■ 若い人ほど、現場の違和感に敏感になっている

昔は、多少危ない現場でも、
「現場とはそういうものだ」
で済まされていた部分があったかもしれません。

しかし、今はそうではありません。

若い人ほど、
危ない状態が当たり前になっている現場に違和感を持ちます。

なぜこの通路に荷物が置かれているのか。
なぜリフトの近くを歩かなければならないのか。
なぜ毎回、人に聞かないと分からないのか。
なぜ注意されるまでルールが分からないのか。

そう感じた時に、「この会社は現場を大切にしている」と思えるでしょうか。

それとも、「ここで長く働くのは不安だ」と思うでしょうか。

人材を採用する時代から、人材に選ばれる時代になっていると考えるなら、
現場の安全対策は、採用や定着にも関係するはずです。

■ 新人が不安を感じる現場は、定着しにくい

新人にとって、物流現場や工場は分からないことだらけです。

どこを歩けばよいのか。
どこに荷物を置けばよいのか。
どこに近づいてはいけないのか。
誰に確認すればよいのか。
どの表示を見ればよいのか。

最初からすべてを理解することはできません。

だからこそ、現場そのものが分かりやすいことが大切です。

何度も注意される。
何度も聞かなければならない。
間違えた理由が自分でも分からない。
ベテランの経験に頼らないと動けない。

こうした状態が続くと、新人は自信を失いやすくなります。

本人の能力の問題に見えることも、
実は現場の分かりにくさが原因になっているかもしれません。

新人が安心して覚えられる現場は、人が育ちやすい現場でもあると思います。

■ 安全な現場は、管理者の負担も減らす

人が定着しない現場では、管理者の負担も増えていきます。

新人教育を繰り返す。
同じ注意を繰り返す。
人が辞めるたびに配置を組み直す。
ベテランに負担が集中する。
現場の雰囲気が重くなる。

人手不足は、単に人数が足りないという問題ではありません。

残った人の負担が増える。
教える人の負担が増える。
管理者の負担が増える。
結果として、さらに人が疲れていく。

この悪循環を防ぐためにも、安心して働ける現場づくりは重要です。

安全対策は、現場スタッフを守るだけでなく、
管理者やベテランの負担を軽くすることにもつながるのではないでしょうか。

■ 人が残る現場は、会社の力になる

人が残る現場には、経験が積み上がります。

作業を知っている人が増える。
新人を教えられる人が増える。
現場の改善点に気づける人が増える。
取引先の対応に慣れた人が増える。

これは、会社にとって大きな力です。

逆に、人がすぐに辞めてしまう現場では、
経験が積み上がりにくくなります。

採用しても、育つ前に辞める。
教育しても、また最初からやり直す。
ベテランに負担が集中する。
管理者が目の前の対応に追われる。

この状態が続けば、会社の力はなかなか高まりません。

だからこそ、人が安心して働ける現場をつくることは、
単なる福利厚生ではなく、会社の力を育てる取り組みでもあると思います。

■ 最後に

人手不足の原因は、給与だけではありません。

もちろん、給与や待遇は大切です。
そこを軽く見ることはできません。

しかし、それだけではなく、
働く人が安心して続けられる現場かどうか。

ここも、これからますます重要になると思います。

危ない状態が放置されていないか。
新人でも分かりやすいか。
管理者やベテランに負担が集中していないか。
働く人が、この会社で続けたいと思えるか。

安全な現場は、事故を防ぐだけではありません。

人が安心して働き、経験が積み上がり、
会社の力が育っていく土台にもなります。

人手不足の時代だからこそ、
「人を集める」だけでなく、
「人が残る現場」をつくることが大切ではないでしょうか。

次回は、
「営業が自信を持って見せられる現場は強い」
というテーマで考えてみたいと思います。

★無料現場診断のお知らせ

事故が起きる現場には共通点があります。
現場写真で確認する「現場の健康診断」を無料公開しています。

無料診断はこちらから ↓↓ ↓↓↓↓↓