
最近、DX(デジタルトランスフォーメーション)
という言葉を聞かない日はありません。
AI。
システム。
自動化。
ロボット。
物流業界でも、様々なDXが進んでいます。
もちろん、私はそれ自体を否定するつもりはありません。
むしろ、これからの物流企業にとって、
デジタル化は必要不可欠だと思っています。
ただ、最近少し気になることがあります。
それは、DXが「システム導入」になってしまっていることです。
本来DXとは、企業が持っている知識や経験を、
企業の資産として残していく活動ではないでしょうか。
例えば、ベテラン所長が持っている危険予知。
現場責任者が知っているヒヤリハット。
長年働いているスタッフが感じている違和感。
そうした知識は、実は企業にとって非常に重要な財産です。
しかし現実には、
人が異動する。
退職する。
担当が変わる。
すると、せっかくの知識も一緒に消えてしまう。
私は、これこそDXで解決するべき課題だと思っています。
例えば、高床バース。
どこで転落リスクが高いのか。
どの位置なら見やすいのか。
どんな表示が効果的だったのか。
どの色が認識しやすいのか。
こうした情報を、企業の知識として蓄積していく。
そして、次の改善に活かしていく。
これこそ、本当のDXではないでしょうか。
私は最近、現場改善も同じだと感じています。
これまでの表示は、
貼る。
終わり。
時間が経てば、剥がれる。
汚れる。
貼り替える。
それで終わっていました。
しかし本来は、表示してみる。
スタッフに聞く。
ヒヤリハットを確認する。
改善する。
また確認する。
そうやって、少しずつ進化させていくべきものだと思うのです。
つまり、表示そのものを、現場改善データとして扱う。
これです。
私は最近、現場改善のDXとは、
表示をデジタル化することではなく、
現場の知識を蓄積することだと思っています。
そして、
その知識は、
現場だけのものではありません。
企業全体の財産です。
ある営業所で得られた知識が、別の営業所でも活用できる。
ある事故対策が、全国の拠点で役立つ。
そうなれば、企業全体の安全レベルは確実に上がります。
私は以前、
DXとは、
企業のノウハウや経験をデジタル化することだと考えている、
という話を書きました。
最近は、現場改善こそ、
最もDX化するべき分野なのではないか。
そんなことを感じています。
事故情報。
ヒヤリハット。
改善履歴。
スタッフの意見。
それらを蓄積し、共有し、次の改善に活かす。
そして、その知識を企業の財産として残していく。
私は、これからの物流企業には、
「設備DX」だけではなく、
「現場改善DX」
が必要になってくる気がしています。
人はミスをする。
現場は変化する。
だからこそ、
経験や知識を残し続ける仕組みが必要になる。
最近は、そんなことを考えています。


