
ここまで3回にわたって、AIやデジタル化の流れ。
なぜ現場では迷いがなくならないのか。
そして現場は「管理」ではなく「設計」ではないか。
そんなことを、自分なりに考えてきました。
今回は、その続きとして
ではなぜ、現場改善は必要だと分かっていても、
なかなか進まないのか。
そのことについて考えてみたいと思います。
現場に訪問すると、「課題は分かっているんです」
と話される企業は少なくありません。
通路が危ない。
表示が足りない。
置き場が曖昧。
新人が迷いやすい。
問題が見えていないわけではない。
むしろ、現場ほど課題をよく分かっています。
それでも進まない。
ここに、現場改善の難しさがあるように思います。
理由はいくつかあります。
まず一つは、
日々の業務で手一杯ということです。
出荷対応。
人員調整。
クレーム対応。
欠勤対応。
上司への報告。
取引先とのやり取り。
現場管理者ほど、毎日いろいろなことに追われています。
その中で、「改善まで手が回らない」
というのは、かなり現実的な話だと思います。
二つ目は、
改善には手間がかかると思われていることです。
業者を探す。
見積を取る。
社内稟議を通す。
施工日を決める。
この流れを想像した時点で、
「今はやめておこう」となってしまうこともあるように感じます。
三つ目は、
改善の効果が数字で見えにくいことです。
売上アップなら分かりやすい。
コスト削減も説明しやすい。
しかし、事故が減る。
迷いが減る。
新人が動きやすくなる。
こうした効果は、大事なのに数字にしづらい。
だから後回しになる。
ただ、本当にそうなのでしょうか。
例えば、
新人が迷わなくなる。
確認の手間が減る。
危険な場面が減る。
ベテランの負担が減る。
こうしたことが積み重なれば、
結果として生産性も、定着率も、安全性も変わってくるはずです。
つまり、見えにくいだけで、
効果がないわけではない。
私はむしろ、
現場改善とは大きな改革ではなく、
小さな改善を止めないことだと思っています。
少し変えてみる。
試してみる。
現場の声を聞く。
また直す。
この積み重ねが、数年後には大きな差になる。
ただ、そのためには改善が重たい作業ではなく、
もっと日常的なものになる必要があります。
思いついたら、すぐできる。
試したら、すぐ直せる。
現場で、その場で変えられる。
そういう環境があれば、
現場改善はもっと進むのかもしれません。
最近はそんなことを考えています。
次回は、では、現場改善を
「特別な仕事」ではなく「日常業務」にするにはどうすればいいのか。
そのあたりを整理してみようと思います。

