フォークリフト事故、整備中の下敷き事故、搬送設備による挟まれ事故。

第1回では、これらの事故が
特別な現場ではなく、日常の中で起きていることを見てきました。

ではなぜ、同じような事故が繰り返されるのでしょうか。

事故は「不注意」で片付けられている

事故が起きると、多くの場合こう説明されます。

・安全確認不足
・周囲確認不足
・作業手順違反

確かに間違いではありません。

しかし、ここに一つ大きな問題があります。

👉 同じ説明が、毎回繰り返されていること

もし原因が単なる不注意であれば、
教育や指導によって改善されているはずです。

しかし現実はそうなっていません。

共通しているのは「いつもと違う作業」

これまでの事故を見ていくと、ある共通点が浮かび上がります。

それは

👉 通常作業ではない場面で発生していること

具体的には

・点検中
・整備中
・詰まり対応
・清掃中
・トラブル対応

こうした非定常作業の中で事故が起きています。

なぜ非定常作業は危険なのか

非定常作業では、現場の前提が崩れます。

・設備の動きが通常と違う
・安全装置が解除される
・作業手順が曖昧になる

つまり「いつも通りではない状態」が発生します。

この状態では、人の経験や感覚が通用しにくくなります。

もう一つの共通点「一人作業」

そしてもう一つ、重要な共通点があります。

👉 一人作業

非定常作業は、単独で行われることが多くなります。

その結果、

・判断が自己完結する
・止める人がいない
・異常に気づけない

という状態になります。

一人作業は事故を「重大化させる」

ここが重要なポイントです。

一人作業は、単に危険なだけではありません。

👉 事故を重大事故に変える要因 です。

例えば

・挟まれても誰も気づかない
・助けを呼べない
・初動が遅れる

結果として

👉 助かるはずの事故が、死亡事故になる

「止まっているはず」の機械

搬送設備やフォークリフトの整備中事故には、
もう一つの特徴があります。

それは 「止まっていると思って近づく」こと

しかし実際には

・油圧の低下
・センサーの反応
・自動復帰
・残留エネルギー

などにより、 予期せず動く可能性が残っています。

本当に危険なのはどこか

多くの人は

「動いている機械が危ない」と考えます。

しかし実際には一番危険なのは“動くかもしれない状態”です。

見えてきた構造

ここまでを整理すると、事故の構造はこうなります。

・非定常作業
・一人作業
・動く可能性のある設備
・判断に依存した行動

これらが重なったとき、事故は発生します。

問題は人ではなく構造

ここで改めて考える必要があります。

事故の原因は、本当に人なのでしょうか。

同じような事故が繰り返されているということは、

👉 人ではなく、環境や仕組みの問題 と考えるべきです。

次回予告

では、この構造に対してどのような考え方が必要なのでしょうか。

次回は、日本とアメリカの安全に対する考え方の違い

から、そのヒントを探っていきます。