
ロサンゼルスの大規模冷蔵倉庫火災について、
これまで数回に分けて続報を取り上げてきました。
この火災では、食品廃棄物の撤去、悪臭、害虫、住民対応、訴訟、
火災原因の調査など、火災発生後もさまざまな問題が続いています。
ただ、世界を見ると、物流倉庫や大型配送センターの火災は、
ロサンゼルスだけで起きているわけではありません。
韓国、米国、欧州、そして日本でも、物流関連施設の火災は発生しています。
今回は、2026年に報道された主な物流倉庫火災を、事実ベースで整理します。
🔳韓国・Coupang物流センター火災
2026年7月、韓国・仁川にあるCoupangの物流センターで大規模火災が発生しました。
火災が発生したのは、首都圏向けの物流を担うCoupangの第32物流センターです。
報道によれば、火災は6階付近から発生し、7階へ広がったとされています。
建物は8階建てで、延床面積は約29万9,000平方メートルとされる大型物流施設です。
火災は50時間以上燃え続け、建物の倒壊リスクを考慮して、
周辺の事業所にも避難命令が出されました。
従業員は全員避難し、人的被害は確認されていないと報じられています。
火災原因については、報道時点では確認されていません。
ただし、施設内には紙箱、ビニール包装、家庭用品など可燃物が多く保管されており、
これらが火災拡大に影響した可能性があるとされています。
また、韓国メディアでは、火災が61時間、あるいは100時間以上に及んだとする報道もあり、
鎮火まで長時間を要したことが伝えられています。
🔳米国・Lineage冷蔵倉庫火災
2026年6月、アメリカ・ロサンゼルスのボイルハイツ地区で、
Lineage社が運営する冷蔵倉庫の大規模火災が発生しました。
この火災では、有害な煙の発生により周辺住民に屋内退避命令が出され、
ロサンゼルス市長が非常事態を宣言しました。
倉庫内には約8,500万ポンドの冷凍食品が保管されていたとされ、火災後には食品廃棄物の撤去、
悪臭、害虫、衛生問題、住民対応などが大きな問題となりました。
その後、Lineage社は食品廃棄物の撤去、洗浄、消毒が完了したと発表していますが、
火災原因と責任の所在をめぐっては、法的な争いに移っています。
火災原因については、屋上ソーラー設備との関連が報じられています。
しかし、消防当局は火災原因を「特定できず」と分類したと報じられており、
現時点で原因が確定したとは言えません。
🔳米国・Medline医療用品倉庫火災
2026年6月、アメリカ・カリフォルニア州トレーシーで、
Medline社の医療用品配送センター火災が発生しました。
Medline社は、医療・外科用品を扱う大手企業です。
火災が発生した施設は、約100万平方フィート、日本の面積感覚では
約9万3,000平方メートルの大型倉庫と報じられています。
この施設は、北カリフォルニア地域の病院向けに医療用品を供給していました。
AP通信によれば、火災発生時、建物のスプリンクラーや敷地内の
消火栓が正常に機能せず、消火活動の大きな妨げになったとされています。
消防当局は、施設側の私設水道設備に問題があった可能性を指摘しており、
市の水道供給の問題ではないと説明しています。
火災原因そのものについては、報道時点では分かっていません。
ただし、スプリンクラーや構内消火栓が機能しなかったことにより、
火災の拡大を抑えにくい状況になったことが報じられています。
Medline社は、火災後、別の物流拠点へ出荷業務を振り分ける対応を行ったとされています。
🔳イタリア・ミラノ BRT倉庫火災
2026年7月、イタリア・ミラノのBovisa地区にあるBRTの倉庫で火災が発生しました。
BRTは、配送・宅配系の物流事業者です。
報道によれば、火災は倉庫で発生し、約8,000平方メートルが燃えたとされています。
消防隊による消火活動の結果、火災は数時間後に制圧されました。
火災原因については、今回確認できた範囲では明確に公表された情報は確認できませんでした。
一部報道では、倉庫内のリチウム電池が消火活動を難しくした可能性に触れられていますが、正式な火災原因として確定したものではありません。
🔳日本・キングジム物流センター火災
日本でも、2026年6月にキングジムの物流センターで火災が発生しています。
キングジムの発表によれば、火災が発生したのは、東京ロジスティクスセンターです。
この物流センターは、信濃運輸株式会社の葛西流通センター内にあります。
同社は6月23日に火災発生を公表し、その後、第二報で一部商品を除いて
6月24日より出荷業務を再開する予定であると発表しました。
さらに第三報では、火災の影響により一部停止していた出荷業務について、
7月1日より全面的に再開したと発表しています。
火災原因については、キングジムの公表資料では詳しい原因までは確認できませんでした。
ただし、国内でも物流センター火災が発生し、出荷業務の一部停止と再開対応が
行われた事例として注目されます。
🔳世界各地で起きている物流倉庫火災
今回取り上げた事例だけでも、韓国、米国、欧州、日本で、物流倉庫や
大型配送センターの火災が発生しています。
それぞれの火災原因は同じではありません。
原因が未確認のものもあれば、消防設備の不具合が消火活動を
妨げたと報じられているものもあります。
また、屋上ソーラー設備との関連が争点になっている事例や、
保管物の腐敗によって火災後の対応が長期化した事例もあります。
共通しているのは、物流倉庫や配送センターが大型化し、保管量が増え、
火災が発生した時の影響範囲が大きくなっていることです。
火災そのものの被害だけでなく、出荷停止、代替拠点への切り替え、
住民対応、環境対応、原因調査、訴訟など、火災後の対応も長期化する場合があります。
ロサンゼルスの大規模冷蔵倉庫火災は、非常に大きな事例でした。
しかし、世界の報道を見ると、物流倉庫火災は決して一件だけの特殊な出来事ではありません。
今後も、物流倉庫火災に関する動きは、継続して確認していきたいと思います。


