「うちの現場も、指差し呼称の重要性は理解してますよ」
「でも、実際やっているのは一部の人だけですね…」
以前のブログで、指差し呼称を“やっていない”ことが、ミスを6倍に増やしているという現実をお伝えしました。
今回は、”なぜ“やれと言っても続かない”のか?どうすれば“自然に続く”のか?に焦点を当てます。
■ 形骸化した安全行動──やっている“フリ”では防げない
物流倉庫では、指差し呼称だけでなく、
- 歩行帯を守る
- リフトと目を合わせる
- 手順どおりに積み付ける
といったルールが定められています。
しかし、その多くが「やっていることになっている」だけというケースを、私たちは数多く目にしてきました。
たとえば──
- 「床に表示してある」→ でも誰も見ていない
- 「朝礼で言っている」→ でも午後には忘れている
- 「監査ではできていた」→ でも普段はやっていない
これは“ルールが悪い”のではなく、“行動に結びつく仕組み”が欠けているからです。
■ やらせる安全ではなく、「やりたくなる安全」を
人は、言われてもやらないことが多いですが、自分の目で見て納得すれば動きます。
そこで重要なのが、“行動を後押しするサイン”=わかる化サインです。
■ 「やりたくなる現場」をつくる わかる化サインの実例
場所 | わかる化の工夫 | 効果 |
リフト通路 | 「前方ヨシ!」床サイン | 指差し行動が自然に始まる |
バースの出入口 | 「積込時は周囲確認!」表示 | 荷役前の安全意識が強化 |
歩行帯交差点 | 「左右確認」ピクト付き床表示 | 目で見て、体が止まる |
これらのサインは、「やってください」と言わなくても、目に入ることで、行動が“引き出される”ように設計されています。
■ 指差し呼称の実施率を上げるために必要なこと
以下は、ある物流企業の安全担当者が自社内で行った独自調査の結果をもとにしたイメージです
📊 現場スタッフの指差し呼称実施率
対象 | 実施率 |
安全担当者 | 95% |
リフトドライバー | 20% |
ピッキングスタッフ | 5% |
パート・アルバイト | 2% |
※サンプル企業による参考値(円グラフや棒グラフに変換可能)CHAT GPT
この差は、「やるべき人がやっていない」のではなく、
“どうやったらできるのかが見えていない”ことが原因です。
■ まとめ:サインは注意喚起ではなく、“行動設計”である
- 注意はしている
- ルールもある
- でも、事故が減らない…
そう悩む現場ほど、わかる化サインという「行動設計」の視点が必要です。
「やれ」と言わずとも、“人が自然に動く環境”を作ることこそ、真の安全文化への第一歩です。
