
前回、なぜ現場では迷いがなくならないのか、
自分なりに考えてみました。
経験の違い。
見え方の違い。
その日の体調。
ルールの受け取り方の違い。
同じ職場で、同じ説明を受けていても、
人の動きはなかなか揃いません。
そのことを考えているうちに、
最近一つの結論のようなものにたどり着きました。
もしかすると現場は、
「管理するもの」
として考えるより、
「設計するもの」
として考えた方がいいのではないか、ということです。
要は、人は迷う、間違える、という前提で考える。
現場で問題が起きると、教育を強化する。
注意を増やす。
ルールを追加する。
チェックを厳しくする。
こうした対応が行われることは多いと思います。
もちろん、どれも大切なことです。
ただ、それだけで本当に現場は変わるのだろうか。
そう感じる場面もあります。
例えば、通路で人とリフトが交差する場所。
置いてはいけない場所に物が置かれる場所。
新人が毎回止まってしまう場所。
こうした場所には、共通点があるように思います。
人が悪いというより、
迷いやすい環境になっている。
気づきにくい状態になっている。
判断しづらい状態になっている。
もしそうだとすると、改善すべきは人だけではなく、
環境そのものなのかもしれません。
私はこの仕事を通じて、現場の表示や導線、見せ方によって、
人の動きが変わる場面を何度も見てきました。
「ここで止まるんだ」
「ここに置いてはいけないんだ」
「ここから歩けば安全なんだ」
言葉で何度も伝えるより、一目で伝わる方が早いことがあります。
しかもそれは、ベテランにも新人にも外国人スタッフにも協力会社の方にも
同じように伝わります。
そう考えると、現場改善というのは、
人を変えることではなく、人が自然に正しく動ける環境をつくること。
つまり、管理ではなく、設計なのかもしれません。
設計というと、大げさに聞こえるかもしれません。
でも実際には、どこに表示するか。
どの大きさなら見えるか。
どの言葉なら伝わるか。
どの位置なら迷わないか。
そうした細かな積み重ねです。
そして、その答えは机の上だけでは決まりません。
現場で試して、現場で見て、現場の声を聞いて、また直す。
この繰り返しの中にしか、
本当の答えはないように思います。
最近はAIやデジタル化の話題が多く、
それ自体は素晴らしいことだと思います。
ただ、その時代だからこそ、
人がどう動くか。
どう見えるか。
どう感じるか。
そうしたアナログな視点が、
逆に重要になる気がしています。
現場は、管理するものではなく、設計するもの。
まだ答えではありませんが、最近そんなことを考えています。
次回は、
では、その設計を
誰が、どのスピードで、どう改善していくのか。
そのあたりを自分なりに整理してみようと思います。

