
新人が研修を受けている時、
説明を聞きながら大きくうなずいてくれたり、
「はい、わかりました!」と元気に答えてくれたり。
その姿を見ると、教育担当者も安心します。
しかし——いざ現場に出ると、
「え、そこじゃない!」
「ストップはここだよ!」
「その動線は逆だって言ったよね!」
研修で説明したはずの内容が、
現場ではまったく再現されない。
多くの教育担当者が直面する“新人あるある”です。
でもこれは、
新人が理解していないのではなく、研修と現場が別世界だから。
■ 研修は“整いすぎている”
研修で扱う環境は、だいたいこんな感じです。
・静か
・動線が単純
・荷物が少ない
・リフトが走らず安全
・説明がゆっくり
・質問しやすい
・周囲に余裕がある
つまり、新人にとって理解しやすい“理想空間”。
しかし現場は——これとは真逆です。
■ 現場は“情報が暴走している”
現場で新人が最初に感じるのは 情報量の多さ です。
・リフトの走行音
・ピッキング指示の声
・荷物が積まれる音
・スタッフが行き交う
・緊急の呼び出し
・通路が複雑
・優先順位がその場で変わる
新人には全部が同じ重要度に見えます。
どこを見ていいか分からない。
何から注意すべきか分からない。
研修の内容が頭の中でつながらない。
だから、ミスや危険行動が出てしまう。
■ 「分かっているはず」がズレを生む
研修担当者はこう思います。
「言ったよね?」
「説明したよね?」
「動画見せたよね?」
でも新人はこう感じています。
「同じ場所に見えない…」
「研修で見た位置と違う…」
「荷物が多くてラインが見えない…」
「どこが危ないのか分からない…」
どちらも悪くない。
ただ、環境の情報密度が違いすぎるだけなんです。
■ “見える世界”が違うと、安全行動が再現できない
研修では理解できていても、
現場での再現が難しい理由はここです。
🔹 研修の“静的な情報”
→ 頭で整理できる
🔹 現場の“動的な情報”
→ 体が追いつかない
新人は、理解が浅いのではなく、
目の前の情報量に処理が追いついていない。
安全行動は、理解より “視界と反射” の問題なんです。
■ 現場で理解させるには「視界に答えを置いておく」
だからこそ必要になるのが わかる化サイン。
・通路の区分
・一時停止の位置
・動線の矢印
・危険方向の強調
・置き場の視覚化
・優先順位の色分け
研修で学んだ内容を、
現場の視界に“そのまま再現”する。
これだけで新人の混乱は大幅に減ります。
■ 最初の1ヶ月が、安全の“基準値”を決める
新入社員の最初の1ヶ月は、
脳が「これが普通」という基準をつくる時期です。
この時期に
・迷う
・読み間違える
・注意ばかりされる
こんな経験を重ねると、
“向いてないかも…”と感じてしまう。
逆に、
・視界で理解できる
・正しい動線がわかる
・成功体験が増える
こうした環境が整っていると、
新人の定着率は安定します。
■ 結論
新人が研修の内容を現場で再現できないのは、
✔ 理解不足ではなく
✔ 情報密度の違いによる“視界の乱れ”が原因
だから、
研修 → 現場 のギャップを埋めるには
現場を“研修に近づける”ためのわかる化
これが最も効果的です。
デジアナプリントシステムは、
このギャップを“視覚”で埋める仕組みです。

