物流倉庫では、すでに多くのモノと人が行き交っています。
フォークリフトが荷役をし、人がピッキングを行い、カゴ車や台車が所狭しと動いている。
そして近年、AGV(無人搬送車)の導入が進んでいます。
人手不足対策、自動化、省力化の一環として、今後さらに普及していくでしょう。
しかし、この“新たなプレイヤー”の登場は、現場の安全リスクを一層高める要因にもなり得るのです。
■ 危険が“増える”3つの理由
① 動線が交差する
フォークリフトとAGV、人とカゴ車など、複数の動線が入り乱れる場面が増え、接触リスクが高まります。
② AGVは無人だからこそ“譲らない”
人間のように「状況を見て譲る」「アイコンタクトで避け合う」ことができないため、人とAGVの接触事故も懸念されます。
③ 誰がどこを通るのか分からない
とくに初めて現場に入る人や新人、外国人労働者などは、「ここを通っていいのか?」「この車両は何をしているのか?」がわからず、判断ミスや誤進入が事故に直結する可能性があります。
■ だからこそ、「見ればわかる化サイン」が必要です
現場では「言われたルール」より「見て理解できるルール」が圧倒的に効果を発揮します。
▷ 例えばこんなわかる化
AGV専用通路に分かりやすいビジュアルと警告マーク
交差点や出会い頭に「一時停止」「指差し確認」の床サイン
人が立ち入ってはいけないゾーンを色とアイコンで明示
AGV稼働中エリアに「無人走行中 注意」サイン
これらは、誰が見ても直感的に理解できる表示であることがポイント。
とくに文字が読めない、初めて来た人でも迷わないように、「視覚情報で伝える工夫」が不可欠です。
■ いま始めるべき“AGV時代の安全対策”
AGV導入で作業の効率が上がっても、事故が増えては本末転倒です。
技術の進化とともに、安全対策も進化させましょう。
「うちはまだAGV入れてないから関係ない」そう思っている会社ほど、将来に備えて“混在する現場”の安全設計をいまのうちに始めることが、重大事故の防止にもつながります。
【まとめ】
自動化が進むほど、見える化が重要になる。
AGV・人・リフト・台車――すべての動線が交差する現場にこそ、
“見ればわかる化サイン”が、安全の要(かなめ)になるのです。