
新人教育の場面で、よく聞く言葉があります。
「分からなかったら、いつでも聞いてね」
でも、現場に入った新人は——
ほとんど聞けません。
聞かないのではなく、
“聞けない状況”が存在します
■ 現場は常に、質問しづらい
物流現場はスピード命です。
フォークリフトの走行音、
トラックの到着アナウンス、
仕分けラインの稼働、
納期に追われるプレッシャー。
新人は、こんなことを考えています。
・いま声をかけたら迷惑かな?
・先輩が怒ってるように見える…
・また聞いたら嫌がられるかも
・自分で考えろって言われるかも
その結果、
「まあいいか」
「とりあえずやってみよう」と行動してしまう。
ここでミスが生まれます。
■ “聞けない新人”を叱っても、問題は解決しない
新人に悪意はありません。
むしろ、先輩の邪魔をしないように、
気を遣っていることが多い。
だから叱ると、こう学習してしまいます。
「質問=迷惑」
「分からない=自分が悪い」
「怒られたくない=黙って動こう」
さらに聞けなくなる。
この悪循環は、
新人だけでなく現場全体を疲弊させます。
■ 質問しなくても“判断できる”環境が必要
新人が質問できないなら、
質問しなくて済む現場を作る方が早い。
その鍵が、わかる化です。
・歩行帯は色で区別
・危険エリアは床で警告
・一時停止はSTOP表示
・置き場は形で示す
・動線は矢印で案内
言葉で説明しなくても、新人が“視界だけで理解できる”状態。
これが本当の教育環境です。
■ 自分で判断できた瞬間、新人は変わる
わかる化された現場に立つと、
✅ 行動に迷いがなくなる
✅ 小さな成功体験が増える
✅ 表情が明るくなる
✅ 周囲に安心感が生まれる
✅ 褒められる場面が増える
そして、辞めにくくなる。
新人の離職理由の多くは、
“怒られた”ではなく
“自信が持てなかった”です。
■ 現場にもメリットがある
わかる化は新人だけのためではありません。
・先輩が余計な注意をしなくていい
・教育の負担が減る
・安全管理者のストレスが減る
・現場のコミュニケーションが柔らかくなる
「なんでできないんだ?」から
「そうすればできるね」に変わる。
職場の空気そのものが変わっていきます。
■ まとめ
新人教育の本当の課題は、
✅ 新人が質問できない構造
✅ 教えなくても理解できる環境不足
この2つです。
だからこそ私は、
デジアナプリントシステムによる“わかる化サイン”が
新人定着の根本解決になると考えています。

