前回(第5回)では、歩行帯に荷物が置かれることで、
女性パートスタッフが「つまずく」「荷物をどけて腰を痛める」「時間を取られる」といった困難に直面している現実をお伝えしました。

今回は、その背景にある 管理者の課題 にスポットを当てます。

🔳シチュエーション

ある午後、倉庫の歩行帯に2段積みの荷物が並び、歩行者が外に避けざるを得ない状況。
リフトドライバーは焦りながら荷物を運び、
管理者はデスクに向かって頭を抱えています。

🔳背景にある“負のスパイラル”

1.急な入荷
 メーカーから予定外の荷物が届き、保管場所が逼迫。

2.出荷段取りの乱れ
 バース予約に合わせて準備していたのに、トラック到着順が入れ替わる。

3.検品や書類のミス
 荷積みが遅れ、作業全体がずれ込む。

4.管理者の多忙
 本来業務に加え、会議・報告・資料作成などに追われ、現場の調整に十分な時間を割けない。

5.歩行帯が犠牲に
 置き場を失った荷物が歩行帯をふさぎ、歩行者が危険にさらされる。

🔳それぞれの“心の声”

・女性パートスタッフ
「危ないし、腰も痛い…。これじゃ安心して働けない」

・リフトドライバー
「置きたくて置いてるわけじゃない。置く場所が無いんだ」

・管理者
「段取りを整えたいのに、雑務に追われて余裕がない…。結局、現場にしわ寄せがいってしまう」

🔳「わかる化サイン」で変わる未来

もちろん、段取り改善と計画性は不可欠です。
しかし現場では、今すぐ効果が出る仕組みも必要です。

・歩行帯に 「荷物置き禁止」 を明示

・倉庫内に 「一時置き場」 を設定

・リフトの横断位置をサインで明示

これだけで、

・荷物を置く/置かないの判断に迷わない

・歩行者が安全に通行できる

・管理者が「注意や叱責」に時間を奪われず、本来業務に集中できる

🔳まとめ

歩行帯がふさがれる問題は、
現場スタッフのマナー不足ではなく、段取りと管理の歪みの表れです。

サインによる「見ればわかるルール」と、
管理者が余裕を持って調整できる体制を両立させることで、

事故のリスクを減らし、残業を減らし、現場の空気を改善する。
それが、この問題を根本から解決する第一歩です

予定変更で荷物が入らない