わかる化サインの検討が進むと、最終的に多くの企業で出てくる言葉があります。

「やはり外注の方が安心ではないか」

この考え方は、決して間違いではありません。むしろ、経営判断としては非常に真っ当です。

■ 外注が選ばれてきた理由

外注が選ばれてきた背景には、明確な理由があります。

  • 施工品質が安定している
  • 責任の所在が明確
  • 万が一のトラブル時に説明しやすい

特に上場企業や、複数拠点を持つ物流会社では、

「責任を社内に抱えたくない」という判断が優先されることも多い。

この判断自体を、否定する必要はありません。

■ では、なぜ内製化という話が出てくるのか

一方で、近年になって再び「内製化」という言葉が出てきています。

その理由は、外注が悪くなったからではありません。

  • レイアウト変更が頻発する
  • 拠点の新設・移転が増えた
  • ルール変更のスピードが上がった

つまり、「外注が合わない場面」が増えてきたというだけです。

■ 外注が向いているケース

まず、外注が向いているケースを整理します。

  • 恒久的なレイアウト
  • 数年単位で変更のない表示
  • 施工箇所が限定的
  • 明確な仕様が固まっている

この場合、外注は今も有効です。

無理に内製化する必要はありません。

■ 内製化が向いているケース

一方で、内製化が向いているのは次のようなケースです。

  • レイアウト変更が多い
  • ルールが頻繁に変わる
  • 拠点が複数あり、横展開が必要
  • 一度作って終わりではない

ここで重要なのは、内製化=全部自分たちでやる」ではないという点です。

■ 内製化とは「作業」ではなく「選択肢」

内製化を検討する企業の多くが、ここで誤解します。

内製化すると、現場の負担が増えるのではないか。

これは、内製化を“作業”として捉えている からです。

実際には、

  • 外注に出す
  • 内製で対応する

この 選択肢が増える ことが、内製化の本質です。

■ 外注と内製を分ける判断軸

判断軸は、とてもシンプルです。

  • 変わらないもの → 外注
  • 変わるもの → 内製

たとえば、

  • 建物に固定された恒久表示
  • 法令で定められた表示

こうしたものは外注。

一方で、

  • 動線
  • 作業ルール
  • 注意喚起

は、現場と一緒に変わっていく。

ここを内製で持てるかどうかが、今後の運用を大きく左右します。

■ 「責任が不安」という経営層の本音

経営層が内製化に慎重になる理由の多くは、

「トラブルが起きたら、誰が責任を取るのか」という点です。

この不安は、内製化の設計次第 で軽減できます。

  • 誰が判断するのか
  • 誰が作業するのか
  • どこまで内製で、どこから外注か

これを最初から決めておく。

内製化は「責任を増やす行為」ではなく、リスクを分散する仕組み になります。

■ デジアナプリントシステムの立ち位置

デジアナプリントシステムは、

  • 外注を否定するものではありません
  • 内製を強制するものでもありません

目的はひとつ。

外注と内製を使い分けられる状態をつくること」です。

■まとめ

  • 外注は今も有効
  • 内製化は外注の代替ではない
  • 変わるものを内製で持てるかが鍵
  • 内製化とは、選択肢を増やすこと
  • 判断を誤らない軸を持つことが重要