荷待ち時間を減らす方法として、バース予約システムがよく話題になります。
たしかに、到着の集中を平準化できれば、待ち時間は減る可能性があります。

ただ、現場にはもうひとつの現実があります。
ドライバーは遅れるのが怖いから、早めに現場へ向かう。
事故や渋滞、積み込み先の都合でズレることもあるので、「早着しておく」はアナログというよりリスク管理です。問題がなければ、数時間早く着く人がいるのも自然です。

ここを無視して「予約だから時間まで来ないで」と設計すると、うまく回りにくい。
予約は“人情”に勝てません。

じゃあ予約は無意味かというと、そうでもありません。
結論はシンプルで、予約が効くかどうかは、予約そのものじゃなく“吸収の仕組み”があるかで決まると思っています。

予約を効かせる「3つの吸収装置」

1)到着ウィンドウ(幅)を持たせる
「10:00ピッタリ」だと不安で早着が増えます。
「9:30〜10:30」みたいに“幅”を持たせると、現場もドライバーも現実的になります。

2)早着は“待機場所へ誘導”して、バース前に並ばせない
早着車両がバース前に溜まると、現場は崩れます。
だから、受付→待機→呼出→接車の導線を決めて、早着は待機場所で吸収する。
ここはシステムより「運用の設計」の領域です。

3)遅延は“罰ゲーム”にしない(再予約できる設計)
遅れるたびに最後回しになる運用だと、次から皆さらに早着します。
不可抗力の遅延は、次の空き枠に振替できる/連絡で調整できる――この安心感がないと予約は定着しません。

予約が形骸化する典型パターン

・早く来た車両を「先に入れちゃう」→ 予約が崩壊して早い者勝ちへ

・待機場所がない→ 路上待機や構内混乱へ

・例外対応が属人化→ 「結局あの人がいる時だけ回る」になる

これ、わかる化サインと同じ構造です。
貼った(入れた)だけでは続かない。続けられる運用が重要なんですよね。

最後に:現場でまず決めるなら、この3つだけ

・早着車両はどこで待つ?(待機場所・導線)

・誰が呼び出し判断する?(責任者)

・遅延時の扱いは?(再予約・振替ルール)

この3つが決まると、予約システムは「縛り」ではなく「調整の道具」になっていきます。

次回は、荷待ち時間短縮の切り札として語られがちな「バース予約システム」について。
でも現場には、“早く着くのが当たり前”というリアルがあります。
予約は本当に効くのか?運用の落とし穴と、効かせる条件を整理します。