最近、佐川急便を中心に
「集荷がこない」「荷物が動かない」
という声が多く聞こえてきています。多くの方が 「いつ正常に戻るのか?」
と不安に感じているのではないでしょうか。

私は専門家ではありませんが、
これまで倉庫現場や物流子会社の担当の方と話すことが多い立場として、
もし現場でこんなことが起きているとしたら…
という“想像の範囲”でまとめてみたいと思います。

あくまで推察ですので、その前提で読み進めていただければ幸いです。

■「集荷停止はいつ正常に戻るのか?」

まず、この疑問に対して想像できることは、

・荷物量が想定以上に多い

・2024年問題で残業による対応ができない

・幹線輸送が詰まり、下流が動けない

・各倉庫のキャパが限界

こうした“複数の要因”が同時に重なり、
物流全体の回復に時間がかかっている可能性があります。

つまり、
「一ヶ所が止まっている」ではなく、
チェーン全体が詰まっている状態
かもしれません。

■ 想像①:2024年問題で「残業で吸収」の時代が終わった

これまでの物流は、物量の波を“残業”で吸収してなんとか回していました。

夜間に人が頑張れば、翌朝には帳尻が合う。

そんな力技で支えていた部分があったと思います。

しかし今は、
働き方改革により残業には厳しい上限があり、
荷物が多くても、残業で押し込むことができません。

だから、一度詰まると改善に時間がかかってしまう。

これは今回の遅延とも関係している可能性があります。

■ 想像②:倉庫・トラック・人手の“余白(バッファ)”がゼロ

いまの物流はどの会社もキャパの限界ギリギリで動いている印象があります。

・倉庫は満杯

・トラックは常にフル便

・応援の人員も呼べない

・採用も厳しい

つまり、
少し増えただけで、すぐに詰まる土壌だったのでは?という感覚です。

今回の遅延は、その“限界”が表面化した現象なのかもしれません。

■ 想像③:ラストワンマイル以外にも波及している可能性

今回の遅延は宅配だけの問題ではなく、
それ以前の工程にも広がっている可能性があります。

たとえば…

荷主

・集荷が来ない → スペースが埋まる

・売れても発送できず販売停止を検討

・スタッフの手待ちが発生

仕分けセンター

・出せないから入庫もできない

・トラックが列を作る

・ラインに荷物が溢れ、現場が荒れる

・小さな事故やミスが増える

地域倉庫

・入荷が遅れて作業計画が崩れる

・急に荷物がドッと来てパンク

・人が集中し、焦りがミスにつながる

配送ドライバー

・積めない → 遅れる

・遅れる → 翌日の荷物が倍

・でも残業はできない

・手詰まり感だけが増えていく

このような“連鎖反応”が起きているのでは?と感じています。

■ 「予想していなかったのか?」という疑問

今回、多くの人が抱いた疑問だと思います。

ただ、もし現場が
残業できない × 余白がない × 物量が想像以上
という状態なら、
事前に予想していても対策が難しかったのでは…という気もしています。

■ 最後に

今回の内容はあくまで 想像・推察ベース の話です。
しかし、物流全体が限界に近づいている“兆し”を感じています。

現場の混乱を少しでも減らすためには、

・迷わない動線

・一発で理解できるルール

・新人でもすぐに動ける環境

・無駄なイライラを減らす職場づくり

こうした“現場を整える改善”は、
どの企業にとっても避けられないテーマだと思っています。

引き続きこのテーマを追いかけ、
気づいたことがあればシェアしていきます。