■ 投資判断は正しいのに、成果が出ない
多くの物流企業の経営者は、人手不足に対して“正しい投資”をしてきました。
求人広告に多額の費用をかけ、最新のマテハン機器やシステムを導入し、働き方改革に沿った施策も実行している。
数字だけを見れば、これらは間違っていません。
しかし、それでも離職は止まらず、人は定着しない。なぜでしょうか?
■ 現場の本音は「安心できない」
現場で働く人の心の中をのぞくと、経営者の想定とはまったく違う声が聞こえてきます。
新人スタッフは――
「このルールって誰が作ったの?今の現場に合ってるの?」
「リフトが近づくと怖くて動けない。でも誰に聞けばいいのか分からない」
「叱られるのは嫌だけど、何を直せばいいのかは分からない」
ベテランスタッフは――
「また新人がすぐ辞めた。教える気力がなくなる」
「育てても続かないなら、結局自分たちで回すしかない」
経営者が投じたお金や設備が、こうした“不安”や“温度差”を解消できていないかもしれません。
■ ズレが生む投資効果の低下
経営者は「費用をかけたのだから成果が出るはず」と考えます。
しかし現場の本音が置き去りにされれば、投資はただの出費になってしまいます。
・求人広告 → 採用はできるがすぐ辞める
・設備投資 → 新しい機器に不安を感じて逆に作業効率が落ちる
・研修制度 → 現場に出た途端にルールが活きない
こうして「投資と成果のズレ」が大きくなる事を、お悩みではないでしょうか?
■ 人を大切にする投資とは?
本当に必要なのは、“人が安心して働ける仕組み”への投資ではないでしょうか?
安心があれば、人は続き、スキルが上がり、効率が上がり、安全文化が育ちます。
その結果、求人広告費も教育コストも削減でき、投資効率は格段に高まります。
わかる化サインは、その第一歩です。
現場に「安心して働ける」という基盤をつくり、経営者が本当に欲しい“投資の成果”につながります。
■ まとめ
経営の投資判断は間違っていない。
しかし、その効果を阻んでいるのは“現場の安心感の欠如”です。
「人を大切にする投資」――これが最も高い回収率を生む投資。
そのための仕組みづくりこそが、荷役現場に今求められているのです。
