■ 21回で見えてきた現場の本音

このシリーズでは、現場スタッフや管理者の「思ってること・感じてること」を取り上げてきました。
そこから見えたのは、立場ごとの認識のズレです。

・「何度注意しても守られない」と感じる管理者

・「また叱られた」と不満を募らせるスタッフ

・「事故や離職が減らない」と頭を抱える経営層

この不一致が、事故・離職・雰囲気の悪化を引き起こしていることがわかってきました。

■ 不安をなくすことが第一歩

シリーズを通じて強く感じたのは、現場の不安をどう取り除くか がカギだということです。

・不安が減れば、スタッフは「大切にされている」と実感できる。

その安心感が、自然なルール遵守や前向きな行動につながる。

・教育・採用・叱責に追われる負のスパイラルから抜け出せる。

つまり「人を安定させる仕組み」が、業務効率・安全・コスト削減のすべてに直結するのです

■ 次のシリーズで考えること

物流業界は今、デジタル化やマテハン化が進んでいます。
効率化の流れは避けられませんが、 人が辞め続ける現場では効果が出ない という課題があります。

松下幸之助の言葉に「ものをつくるのは人であり、その人が働きやすい環境が良い製品を生む」という考えがあります。
これは物流の現場にも当てはまるのではないでしょうか。

■ まとめ ― 役員候補の立場で考えてほしいこと

・これからの改善提案は、単なる安全対策やデジタル投資ではなく、「人が安定して働ける環境」への投であること。

・それは現場からも経営からも支持される、企業の基盤を強くする一手になること。

次回からは、新シリーズ「荷役現場に今必要なことを考える」をスタートします。
これまでの声を土台に、時代背景や経営の視点を交えながら、本当に必要な改善を一緒に探っていきます。