Amazon倉庫の火災について、これまで4本の記事を書いてきました。
火災の概要、現場への影響、物流全体への波及。

今回は、その後の様子を追いながら、
個人的に感じている「少し気になる点」について書いてみたいと思います。

■原因が、まだはっきりと公表されていないこと

私が今回の火災で気になっているのは、
出火原因が、現時点でも明確に公表されていないこと です。

ニュースを見ていると、

・倉庫内の自動搬送ロボット
・リチウムイオンバッテリー
・充電設備や電源系統

といった可能性が挙げられていますが、
どれが直接の原因なのかは分からないままです。

もちろん、原因の特定には時間がかかるものですし、
軽々しく結論を出せないことも理解できます。

ただ、それでも
「もう少し情報が共有されてもいいのでは」と感じてしまいます。

■この火災は、Amazonだけの話ではないように思える

私は、火災や倉庫自動化の専門家ではありません。
あくまで、現場で「わかる化サイン」を提案している営業の立場です。

それでも今回の火災を見て感じたのは、
これは一企業だけの問題ではないのではないか ということです。

自動化された倉庫、ロボット、バッテリー、無人化運用。
これらは今、多くの物流現場で検討・導入が進んでいます。

だからこそ、
同じような構造の倉庫が増えていく中で、
今回の火災から学べることは少なくないはずです。

■「事故」として片付けてしまっていいのだろうか

火災そのものは、ひとつの事故です。
ただ、それで終わらせてしまっていいのか、
少し立ち止まって考える必要があるように感じます。

物流は、日常生活を支える社会インフラです。
倉庫が止まれば、その影響は必ず広がります。

今回の火災は、
自動化が進む物流現場における安全のあり方を、
改めて考えるきっかけになった出来事

だったのではないでしょうか。

■「自動化に伴う安全対策」を見直すタイミングなのかもしれない

自動化や省人化は、
人手不足が続く物流業界にとって欠かせない流れです。

一方で、

・人が常駐しない前提の現場
・大量のバッテリーを扱う環境
・24時間稼働する設備

こうした条件のもとで、
従来と同じ安全対策で十分なのか
という点は、業界全体で考えていく必要があるのかもしれません。

今回の火災が、
その見直しのきっかけになることを期待したいところです。

■現場で大切なのは「非常時にも迷わない状態」を作ること

私自身は、日々、
現場で「わかる化サイン」を提案する仕事をしています。

その立場から感じるのは、
火災やシステムトラブルなど、
非常時こそ“迷わず動ける状態”が重要になる ということです。

・どこに行けばいいのか
・どこに入ってはいけないのか
・どう行動するのが正しいのか

それが、説明されなくても分かる状態。
普段から“見えている”状態。

自動化が進むほど、
こうしたアナログな備えの価値は
むしろ高まっていくように感じています。

■まとめ

Amazon倉庫の火災は、
私にとって「いろいろと考えさせられる出来事」でした。

原因がまだ明らかになっていないこと。
自動化が進む中での安全対策のあり方。
物流が社会に与える影響の大きさ。

専門家ではない立場だからこそ、
こうした違和感を、
現場目線で共有していくことにも意味があるのではないかと思います。

今回の火災が、
物流現場の安全を改めて見直すきっかけのひとつになれば、
それは決して無駄な出来事ではなかったはずです。