
前回の記事では、企業が物流を経営レベルで設計しても、現場では事故や混乱が起き続ける理由について考えてみました。
物流の計画は立派でも、
現場では
・フォークリフト事故
・仮置きによる混乱
・新人の迷い
・ヒヤリハット
が起き続けています。
なぜでしょうか。
その理由はとてもシンプルです。
物流は最後に人間が動く現場で完成する仕事だからです。
どんなに素晴らしい計画も、現場の動きが整わなければ成立しません。
ここで興味深いことがあります。
事故が少ない現場を観察すると、ある共通点が見えてきます。
■ 事故が減る現場の共通点
事故が少ない現場は、特別な機械を導入しているわけではありません。
特別な教育をしているわけでもありません。
しかし現場を見ると、明らかに違うところがあります。
それは迷う場所がないということです。
・歩行帯がはっきりしている
・仮置き場所が決まっている
・交差点の優先関係が分かる
・危険箇所が瞬間的に理解できる
つまり見れば動き方が分かる状態になっています。
■ 見える化ではなく、わかる化
ここでよく出てくる言葉があります。
「見える化」しかし現場では、見えているだけでは足りません。
表示があっても
どう動くのか、どこに置くのか、誰が優先なのかが分からなければ、
人は迷います。
そして迷った瞬間に事故のリスクが生まれます。
だから重要なのは
見える化ではなく、わかる化です。
見れば理解できる。理解すれば迷わない。
迷わなければ事故は減ります。
とてもシンプルですが、多くの現場でこの設計が抜けています。
■ 現場は「設計」で変わる
現場の問題を 教育不足、注意不足、意識不足 と考えることがあります。
しかし人間は忘れます。
疲れます。 急ぎます。
だから現場を守るのは
人間の注意力ではありません。
環境設計です。
現場の床、通路、表示、動線
これらが「どう動くべきか」を教えてくれる現場は、自然と事故が減っていきます。
■ 物流の未来は現場にある
物流企業はいま、組織を変え始めています。
物流部、物流本部、CLO
しかし最後に物流を支えるのは、やはり現場です。
そして現場は設備投資だけではなく設計思想で変わります。

