11日午前10時に発生したAmazonの倉庫火災は、鎮火までにおよそ35時間を要しました。
報道によれば、出火元は稼働中の物流ロボットの可能性があるとされています(出典:ロジトゥデイ)。

ロボットは、人の移動を最小限に抑え、効率化と省人化を目的に導入されています。
しかし、その結果として“異常を発見しにくくなるケースが増えている”とも指摘されています。
自動化が進むほど、現場に人の目が届きにくくなる――今回の火災は、その構造的な課題を             浮き彫りにしたとも言えるでしょう。

温度の変化、焦げる匂い、埃の蓄積。

 こうした“小さな違和感”を感じ取る力は、人の経験と注意があってこそ働きます。
センサーやカメラでは拾いきれない“予兆”を、日常の中で察知できるのは現場の人間だけです。

それでも現実には、作業が細分化され、スタッフが持ち場を離れにくくなり、
「荷物が多くて通路が狭くなっている」「熱がこもっている」
といった異変を全体として把握できる人が減っています。

35時間という鎮火までの時間は、単なる数字ではありません。
それは、異常の察知から初動対応までの“人のつながり”がどれだけ難しくなっているかを象徴しています。


現場の安全を取り戻すために

だからこそ、今あらためて“見える仕組み”が必要です。
危険エリア、通行帯、避難経路、荷物制限――
これらを、サインによって誰が見ても分かる形にする。

「わかる化サイン」は、経験や勘に頼っていた安全意識を“共有できる情報”へ変えるための仕組みです。
自動化が進むほど、**人の判断を支える“見える現場設計”**が求められます。


結び

最新技術に守られているように見える倉庫でも、最後に安全を守るのは人の判断です。
自動化の時代だからこそ、人が“感じ取る力”を補い、支える仕組みが必要。
今回の火災は、そのことを私たちに教えてくれているように感じます。