パレットやハンドリフトの整頓を「ルール化」から「仕組み化」へ
物流倉庫でよく見かけるのが、ハンドリフトや空パレットが作業通路や隅に“なんとなく”置かれている光景です。
「使い終わったら戻しておいてください」といった口頭指示や、「ここに置く」と決めているつもりのルールも、時間が経てば形骸化してしまいがちです。
結果として――
通路がふさがる、荷物の置き場と重なる、倒れて危険、などの小さなストレスや事故リスクが積み重なっていきます。
そこで注目したいのが、“置き方”そのものを見える化=わかる化サインで明示するという考え方です。「どこに」「どの向きで」「どこまで重ねて」――誰が見てもすぐにわかる表示があれば、現場が整い、ミスが減り、ルールが自然に守られる環境が生まれます。■ わかる化サインで“置き方”を明示するポイント
以下のような表示を床面に施工することで、使う人が迷わず正しく行動できる状態を作ることができます。
表示項目 | 内容例 | 効果 |
🟥 置き場所の枠線 | 「パレット置場」「ハンドリフト置場」など、色枠で明確に区切る | 置く場所のバラつき防止/見た目もスッキリ |
🔄 向きの矢印 | 「タイヤをこちらに向ける」「フォークを奥に向ける」など | 使うとき・片付けるときの効率UP |
⛔ 置き方の注意点 | 「2段まで」「斜め置き禁止」などの表示 | 荷崩れ・転倒リスクを防止 |
🧑🏫 使い方のピクト・アイコン | ハンドリフトや台車のイラストなど | 外国人や新人でも直感的に理解 |
■ 現場での変化・導入効果
わかる化サインを導入すると、現場ではこんな変化が見られます
- 「置いてはいけない場所に荷物がない」→通路が常に確保される
- 「誰が置いても整っている」→見た目の美しさ・安全性が向上
- 「新人でもすぐ覚えられる」→教育コストが軽減
- 「毎回注意しなくてよくなった」→管理者の負担も軽くなる
現場スタッフからも
「自然と正しく置くようになった」
「“ここに置けばいい”が明確なので迷わなくなった」
といった声が多く寄せられています。
■ まとめ:見れば誰でも“正しい置き方”がわかる現場へ
「片付けなさい」「整頓しなさい」という指示は、一度で終わることはありません。
しかし、床にわかる化サインがあるだけで、その場が“教えてくれる空間”に変わります。
- 見るだけで理解できる
- 迷わず行動できる
- 誰がやっても同じ結果になる
それが、“置き方まで見える化”された物流現場の強みです。
ルールを言葉で伝えるのではなく、形にして残す。行動に落とし込む。
わかる化サインは、現場改善の強い味方です。
