■ やる気は、教えて育つものではない

最初は前向きだった新人も、数か月もすれば表情が変わる。
「先輩と同じことしてても、私だけ注意される」
「きつい仕事だな、これ続くのかな……」
そんな言葉を聞くことがあります。

やる気が下がるのは、決して“根性が足りない”からではありません。
職場の空気が冷たく感じたり、孤立しているように思えたりする時、人は自然と守りに入ります。
その結果、「自分のせいにされないように」行動するようになってしまう。

■ やる気を生むのは「守られている」という安心感

人は“安心できる場所”でこそ前向きになります。
元気で明るい先輩、話しかけやすい上司、チームで助け合う雰囲気。
そうした「空気のあたたかさ」が、やる気の源になります。

つまり、やる気は“個人の感情”ではなく、“職場の文化”が作るもの。
スタッフが「ここは自分を大事にしてくれる職場だ」と感じたとき、
安全への意識も自然に高まっていきます。

■ 「守られている職場」をつくる仕組み

ここで重要なのが、“見える安心感”をつくる仕組みです。
たとえば、危険な場所が明確にわかるサイン、
通るべきルートが一目で判断できるライン。
そうした「わかる化サイン」がある現場では、
スタッフは「ここなら間違えない」「自分は守られている」と感じられる

この“守られている感覚”が、やる気を支える土台になります。
そして、注意が減ることで人間関係の摩擦も減り、
コミュニケーションの質が上がっていきます

■ 管理者が変わると、職場も変わる

スタッフが安心して働ける職場をつくるには、
まず管理者自身がネガティブな思考から抜け出し、未来を語れる状態になることが大切です。
「今のやり方を変えるのは大変だ」と思うかもしれません。
でも、仕組みが整えば、注意や監督の時間が減り、
“考える時間”“人と向き合う時間”が増えていく。

その変化が職場全体に波及し、
スタッフも「ここで働き続けたい」と感じるようになります。

■ まとめ

やる気は、「守られている」と感じられる職場で自然に生まれる。
そして、“守られている安心感”を見える形にするのが、わかる化サイン。
仕組みが安心を支え、安心がやる気を育てる。
それが、未来を考える現場をつくる第一歩です。