
「怒られるのが嫌で…」
新人が辞める理由として、実はよく聞く言葉です。
けれど現場では、こう返ってきます。
「怒るのは当たり前だろう」
「危ないんだから注意するのは当然だ」 どちらも間違っていません。
では、何がズレているのでしょうか。
■ 怒ることが問題なのか?
安全を守るために注意する。 品質を守るために指摘する。
これは現場では必要なことです。
問題は“怒ること”そのものではないかもしれません。
問題は、
・なぜ怒られたのか分からない
・同じことをしても人によって基準が違う
・何が正解なのか見えていない
この状態です。
■ 新人は常にテストを受けている
ルールが曖昧な現場では、新人は毎日試験を受けている感覚になります。
正解は共有されていない。でも間違えると怒られる。
これが続くと、緊張は慢性化します。
慢性的な緊張は、疲労になります。
疲労は、ミスを増やします。
ミスは、また怒られます。 悪循環です。
■ 「怒られない現場」は甘いのか?
ここで誤解が生まれやすい。
怒られない現場=甘い現場ではありません。
怒られにくい設計がある現場は、
・正解が見えている
・停止位置が明確
・危険エリアが明示されている
・判断基準が共有されている
つまり、再現性がある。怒られる前に、迷わない。
■ 感情の問題に見えて、実は設計の問題
「最近の若い子は打たれ弱い」
そう感じることもあるでしょう。
しかし、怒られる前提で設計された現場と、迷わないよう設計された現場では、
新人の感じ方はまったく違います。
怒られることよりも、「何が正解か分からないまま怒られる」
これが一番きつい。
■ 辞める理由を減らすには
怒る回数を減らすことではありません。
怒られる原因を減らすこと。
そのためには、感情ではなく、構造を見る必要があります。
怒られる前に止まれる設計。
迷う前に分かる設計。
それがある現場は、「怖い」よりも「安心」が勝ちます。
次回は、「迷い続ける新人」について考えます。
人はなぜ迷うのか。
能力の問題でしょうか、それとも設計の問題でしょうか。

