■ ルールが変わっても現場は動かない?

新しいルールや改善策を導入しても、なかなか浸透しないことがあります。
「安全第一」と皆が声を揃えても、いざ現場に落とすと「言っていること」と「やっていること」が食い違う…。
その原因は、立場ごとの“思っていること・感じていること”の違いにあります。

■ 立場ごとで見えてる景色

・管理責任者(課長、所長)
 「事故を減らしたい。多少効率が落ちてもルール最優先だ」

・中間管理職(主任・係長)
 「現場を止めずにルールを徹底?板挟みで正直つらい」

・中堅スタッフ
 「効率が悪くなるルールなんてやってられない。現場の苦労が分かってないな?」

・新人女性スタッフ
 「これって、ここの現場知ってる人が作ったんでしょうか?」

・外国人スタッフ
 「説明が日本語だけだと分からないな」

・短期派遣スタッフ
 「・・・関係ないか。」

・転職組
 「このやり方は違うと思うな。まーいいか」

・部長・役員
 「現場の不満も分かるが、会社全体を守るには事故ゼロが必須だ」

  • 営業部門
    「荷主からの、要請もあるので協力よろしく!」

■ ギャップがもたらす現場の分断

同じルールでも立場によって受け止め方は大きく違います
このギャップを放置すると、

・「守らせたい管理者」と「効率を求める現場」の衝突

・「言われた通りやれ」と「やってられない」の対立

・「説明したつもり」と「分からない・覚えられない」のすれ違い

といった形で、ルール自体が現場を分断する原因になってしまい、結果的に効率が下がり

労災の増加につながります。高い離職率はこの辺りにあるかもしれません。

■ 解決のカギは“わかる化”

人は立場や背景が違えば、感じ方もバラバラ。
だからこそ、言葉やマニュアルだけでは限界があります。

必要なのは、誰もが直感で理解できる仕組みです。

・ルールを「読む」から「見る」へ

・文字より「色・形・ピクト」で伝える

・「ここを歩く」「ここに置かない」などを床や壁で明示する

「叱られるから守る」のではなく、自然に正しい行動ができる環境をつくること。
これが、立場の違いを超えて現場を一つにまとめる方法です。

■ まとめ

・ルールが浸透しないのは“不真面目”だからではなく、立場ごとの感じ方が違うから

・言葉や叱責で埋めるのではなく、直感で分かる“わかる化サイン”で埋める

立場を超えて全員が同じ行動を取れる環境が、事故ゼロと働きやすさを両立させる

物流現場のルールの作り方