【荷役現場改善ブログ】歩行帯があるのに事故が起きる!?その原因と「わかる化サイン」で変わる安全意識

ラインだけの歩行帯

物流倉庫や工場の現場で、「歩行帯を設けている=安全対策はできている」と思い込んでいませんか?
実は、歩行帯があるにもかかわらず、その“中”で事故が起きている現実があります。

今回は、歩行帯で実際に発生している事故例と、その原因、そして「わかる化サイン」で防げる対策について紹介します。

✅ 実際にあった歩行帯での主な事故例

① フォークリフトとの接触事故

事例: 歩行帯を歩いていた作業員が、後方回転中のリフトに接触され負傷。
原因: 通路と歩行帯が交差していたが、優先ルールが明示されていなかった。

② カゴ車・台車との接触事故

事例: 仮置きされたカゴ台車につまずき、パートスタッフが転倒。
原因: 「歩行帯には物を置かない」というルールの見える化がされていなかった。

③ AGV(搬送ロボット)との接触・巻き込み

事例: AGVの進路と歩行帯が重なり、歩行者の足元を巻き込んでしまった。
原因: ラインは引かれていたが、“人と機械の分離”がサインで伝えられていなかった。

④ 荷物による転倒事故

事例: 歩行帯が一時的に保管スペースと化し、通行者が荷物につまずいて転倒。
原因: 表示が薄れ、「ここに置くな」のサインが見えなかった/なかった。

⑤ 歩行帯を横切るリフトに巻き込まれた事故

事例: バース前でリフトが急に歩行帯へ進入。後方から歩行者が衝突された。
原因: 交差点に警告サインも注意音もなく、優先ルールも曖昧だった。

🔻 なぜ歩行帯で事故が起きるのか?

原因内容
❌ サインの不明瞭インテープだけで意味が伝わらない(進行方向、禁止事項、優先など)
❌ 形式だけの設置「あること」で満足し、運用・点検・教育がされていない
❌ 視認性の低下摩耗・剥がれ・暗所で見えづらい/外国人・新人が理解できない
❌ 動線設計ミス車両と歩行者が交差するのに、可視化・区分けされていない
❌ 一時的な“置き場化”本来の歩行帯が物置き場になってしまっている

✅ 「わかる化サイン」で防げること

現場で本当に機能する歩行帯には、“意図が伝わる”サイン表示が不可欠です。
わかる化サインは、以下のような事故予防に貢献します。

  • ✅ 人と車両の交差点に優先ルールを明示(歩行者アイコン・横断注意マークなど)
  • ✅ 「歩行帯に物を置くな」のピクトサインによる禁止表示
  •  リフト進入前の一時停止・指差し確認サイン
  •  色・形・矢印・アイコンを使った無意識でも動ける”動線設計
  •  外国人・新人でも理解できるユニバーサルデザイン

歩行帯がある=安全、ではありません。
表示が曖昧で運用が形骸化している現場では、むしろ“歩行帯の中”で事故が起きることもあります。

本当に安全な歩行帯とは、「人が自然と正しく動けるように設計されたルール表示」がある場所。
誰にでも明確な“行動の指針”が伝わっているかどうかが、カギになります。

🚧 まとめ

“歩行帯があれば安心”という考えに、今こそ見直しが必要です。
事故を防ぐには、現場に合わせた動線設計と、見ただけで理解できるサイン表示=「わかる化」が欠かせません。

ぜひ、今の現場の歩行帯が「使われている」か、「守られている」かを点検してみてください。